資本主義のはじまり 3
政治的市場が減少するためには、つぎのことが必要となります。
つまり、政治的権力を代表によって行使するすべての人びとが、恐れからであれ、断固たる意志からであれ、みずからが買収されるのに応じない、ということがそれです。
この恐れと断固たる意志という2つの動機のうちでもっとも高貴なものが、役人のつぎのような一般的で安定した態度を説き明かしてくれます。
つまり役人は、かれらに残された付随的な役割と微々たる所得にもかかわらず、いまや公共の利益に専念するのです。
それゆえ買収は、かつてそれが容認されていたのと同じ様に、今度は不名誉に満ちたものとなります。
買収を試みることは依然として受け入れられていますが、買収に屈することは道徳的次元におけるこのような非難の的となり、なんびともそれに同意することはできなくなるのです。
歴史上例を見ないこのような役人の清廉潔白さは、あきらかにつぎのことを前提としています。
つまりピラミッドの頂点が手本を示しているということを、また政治的権力がその権力を行使するに当たってみずからの人望を金儲けの手段とすることを必要としないほどに十分な報酬を見いだしている、ということがそれです。
それゆえ、それとは反対のいくつかの例外はあっても、共同の利益の意味のほうが、もっと正確には国民的利益の意味のほうが、一般に欲に目がくらむことよりも勝っているのです。
共和主義者の魂のなかでは、《国家》が《神》にとって代わりました。
政治的権力は誠実さを裏づける計画と冒険とを体現しています。