産業政策の立場 4
産業政策の面では気乗り薄の政府も、規制の解除では積極的です。
その範囲は輸送業やテレコミュニケーションから金融機関にまで及んでいますが、ここでは最も話題を呼んだ、航空輸送とAT&T社の解体を取り上げてみましょう。
航空業界の動きについてみてみると、イギリスのジャーナリスト、アンソニー・サンプソンが近著『大空の帝国』で書いているように、
「アメリカ航空会社が直面した危機は、単に景気後退やジャンボ機の過剰からだけでなく、政治情勢の基本的変化から起こったものである」。
アメリカ航空業界は1938年にローズベルト大統領がつくった民間航空委員会(CAB)のもとに、第二次大戦後もユナイテッド、アメリカン、TWA、イースタンの4社によるがっちりした寡占的支配によって、秩序が守られてきました。
しかし、ウォーターゲート事件や石油危機は、このような長い間続いた航空業界の安泰ムードを根底から吹き飛ばしてしまいました。
CABは本来の消費者保護の立場を忘れて、逆に業界の利益を代表し、その秩序維持に汲々としていたばかりでなく、ジョンソンおよびニクソンと、相次いでホワイトハウスと航空会社の癒着関係が暴露されたからです。