民話紹介
今日は屋久島の民話、『千年ながらめ』を紹介します。
むかし、むかし。あるところに夫婦つれがありました。
ところが、その家は夫がいくら働いても、働いても、くらしがすこしもよくならないのです。
「どうしてこの家はこんなに貧しいのだろうか」
と一心に考えていましたが、ふとあることを思いついた。
夫は、ある日、旅の仕度をして、妻にこういいました。
「おれは旅に行ってくるから、おまえはるす番をしてくれ。」
それから夫は、旅にでかけるふりをして床下にかがんで、妻のすることをじっと見ておりました。
すると妻は、
「もうきょうこそあれがおらんから、腹いっぱい食わんば」
とつぶやいて、大釜をすえつけて、そして店屋からアズキを三升買ってきて、たちまち煮てしまいました。
それから、なんどから米を三升もってきてそれもたちまちたいてしまいました。
そうしていたところが、木戸のほうで、
「さばア、さばア、さばはいらんなア」
と声がしてきました。
すると、妻がポンポンと手をたたいて、
「あい、そのさばを八つくれ」
といって、大きな朝鮮さばを買いました。
そのさばをたちまち切って、大鍋にごそっといれました。
すると、
「とうたてー、とうたてー、とうたてはいらんな.ア」
という声です。
「必い、そのとうたてを三本くれ。」
とうたてというのは、ちょうどつぼみがでてくるころの食いごろの大根のことです。
妻はさばととうたて大根をゴチャゴチャ煮しめました。
そして米三升とアズキ三升をまぜたアズキ飯を大きなどんぶりに盛りあげては食べ、盛りあげては食べして、さかんに食いました。
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